予測

経理力を高める!

必要な能力

「経理力」とは、経理として仕事をしていく上で
必要な力・伸ばすべき力をまとめたものです。

言葉が登場したのは2009年に出版された
「35歳までに身につけておくべき プロの経理力」(児玉尚彦著)からですが、
この本の内容から会計事務所や経理事務所の多くでは、
経理の仕事を遂行するにあたって必要な能力とは何かについて、
詳しく考えるようになってきたようです。

それまで経理の仕事といえばどちらかといえば地味なもので、
言われたことをきちんとする能力さえあればよいという感じが持たれていましたが、
長く経理をしていくならばやはりそれに順応した能力が必要になってくることでしょう。

そこで考えたいのが果たして「経理力」とは何かということです。
先に紹介した本によれば、経理力として必要なスキルとしては会計そのものを行う能力の他、
改善力・分析力・報告力・予測力の4つの能力が加えられることで
より能力を高くすることができるとしています。

経理として勤務をしはじめたばかりの私のような若手社員にとっては、
最初の会計のスキルもままならない部分もあるのですが、
経験値を積みつつ学習を重ねて、
同時に上記の能力も伸ばしていくことが求められるのでしょう。

ちなみにこの本のすごいところは、
これまで経理職のための研修や書籍では
簿記や会計のための知識を補うものばかりであったところに、
適性や性格面、考え方といった要素を加えてくれたということです。

現在同じくらい仕事ができる人同士であっても、
その仕事をどういう意識を持って行っているかによって
かなり数年後、数十年後の様子も変わってくることでしょう。

上記4つの能力の詳しい説明については書籍の内容でもあるので
ここには書きませんが、
それとは別に私が個人的に力を付けたいと思っていることがあります。
それが「会話力」です。

言葉の能力

会話力はここ最近書店などでも高めるための本が多く並んでいるのを見かけるのですが、
若い人ほど他人と話をすることに苦手意識を持っていることが多いように感じます。

私は友人や家族など身近な人と話すのは好きなのですが、
ビジネスの場面で相手からの要望をうまく引き出したり、
機嫌よく会話をまとめたりすることはちょっと苦手であったりします。

営業ほどは会話力は必要ではないかもしれませんが、
費用面での相談を多く受けることがある経理の仕事であるので、
相手にきちんと納得してもらえるような説明ができる力を
なんとか高めていきたいです。

書類整理のコツ

順番能力

書類整理は、経理の仕事をしていく上で重要なスキルです。
書類整理については特に資格などがあるわけではないのですが、個々人の仕事の能力をはかるための重要な項目になります。

仕事が早い人、仕事ができる人は総じてこの書類整理が大変にうまいという特徴もあり、いかに自分流の書類整理方法を身に着けることができるかどうかが、業務に携わる時間の長さを決めます。

書類整理のコツは、まず優先順位や使用頻度の高いものと、
保存をしておくべきものとの区別をきちんと行うということです。

机の上が汚くなりがちな人の傾向としては、
受け取った書類を目を通さないうちに次々に積み上げてそのままにしておくため、
どこにどの書類があるかがしまいに把握できなくなってしまうというところがあります。

どこまでが目を通した分で、
どこからがまだ読んでいないものかということがわからないと、
きちんと伝達がされているかどうかも周囲の人が把握できずに
取次や代行をすることができなくなったりします。

またファイルを使うという方法も便利なのですが、
ただ単に書類の置き場所として使うのであるとかえって混乱を招く原因になったりします。

書類の種類を把握する

手元の書類をとりあえず机の上に積んでおかないためにファイルするようにしたとしても、
その書類を分類せずに挟み込んでいくだけでは
いざ必要になったときにどこにあるかがすぐにわからなくなってしまいます。

最初は色分けなどをしていたはずのものも、
結局基本的な書類整理をせずに挟み込むだけでは
机上に積んでいくのとほぼかわりはありません。
大切なのはその書類が、

・返信が必要なものであるかどうか
・優先度が高いことが書いてあるかどうか
・保存をしておくべきものであるかどうか

などを判断してそれぞれに分類していくようにすることです。

ありがちなのが、届いた書類を顧客別や地域別に振り分けてしまうということです。
同じ顧客や地域からの書類であっても、内容の優先度はそれぞれ違いますし、
そのような分類では顧客Aと顧客Bのどちらの業務を先にするべきかが
頭の中ではっきりわかりません。

自分の記憶力に自信のある人などは
「いちいち整理をするよりも頭のなかで考えた方が早い」
とばかりに書類の整理を怠ったりもしますが、
それでは例え自分ひとりが把握できていたとしても、
周りのサポートが全くできないようになってしまいます。

忙しい業務を少しでも楽にしていくためには、
この書類整理が仕事に求められるとても重要なことになります。

責任

経理の仕事と責任について

正確な仕事

仕事をするときには、きちんと職業人としての責任を持たないといけません。

転職を決意してからというもの、
私はそのことを大変強く意識するようになりました。
転職を本格的に考えずに、日々なんとなく仕事をしていたときには、
言われたことをなんとなく間違いなくこなしていくことが
自分の役目というような考え方をしていました。

ですが、転職を決意し転職コンサルタントの方などから詳しい話を聞いているうち、
いかに自分がばくぜんとした考え方の中で
仕事をしてきたかということを考えるようになりました。

勤めているときには決して不まじめな態度をしていたわけではなかったのですが、
主体的な責任感という点ではやはりちょっと甘く考えてきたところもあったように思います。
そんな責任感のなさを実感したのが、
経理職の仕事で自分に何ができるかということを洗い直ししてみたときです。

取引の概念

例えば普段何気なく使っている「取引」という言葉ひとつとってみても、
ふだん何も考えずにいるときには企業活動でお金が動くことという、
漠然とした概念でしかいませんが、
経理職として見る場合にはもっと細かい分類をされることになります。

経理の仕事で扱う簿記上では「取引」とは実際にお金が動いた場合であり、
かつ簿記項目として決められている場合のみです。

単に商品を受注したり発注したり、
または銀行から借入の約束をとりつけたというような契約成立の段階のことを
「取引」とはいいません。
私がこれまで働いていた課は営業部に非常に近い位置にいたこともあり、
「取引をする」という言葉を無造作に使ってきたようい感じます。

また、反対に普通の感覚では「取引」とは呼んでいないようなことも
経理上では取引として扱われるようなこともあります。
オフィスや所有物件が損壊してしまった場合や、
会社のお金が盗難などで失われてしまったような場合です。
営業的な感覚ではそれらのことを決して「取引」とは言いませんが、
簿記上では取引としてしっかり記載をしておかなければいけません。

今後経理としてキャリアアップをしていきたいと思うなら、
もう少し自分の専門分野に特化した思考方法で、
業務にあたる必要があるのではないかと思います。

まだまだ必要な知識が完全にそろっているわけではない私なので、
今後は資格取得などきちんとした勉強を積み重ねて、
一人前の経理の仕事ができる人材として
社会的な評価を受けることができるようになりたいと考えています。