責任

経理の仕事と責任について

正確な仕事

仕事をするときには、きちんと職業人としての責任を持たないといけません。

転職を決意してからというもの、
私はそのことを大変強く意識するようになりました。
転職を本格的に考えずに、日々なんとなく仕事をしていたときには、
言われたことをなんとなく間違いなくこなしていくことが
自分の役目というような考え方をしていました。

ですが、転職を決意し転職コンサルタントの方などから詳しい話を聞いているうち、
いかに自分がばくぜんとした考え方の中で
仕事をしてきたかということを考えるようになりました。

勤めているときには決して不まじめな態度をしていたわけではなかったのですが、
主体的な責任感という点ではやはりちょっと甘く考えてきたところもあったように思います。
そんな責任感のなさを実感したのが、
経理職の仕事で自分に何ができるかということを洗い直ししてみたときです。

取引の概念

例えば普段何気なく使っている「取引」という言葉ひとつとってみても、
ふだん何も考えずにいるときには企業活動でお金が動くことという、
漠然とした概念でしかいませんが、
経理職として見る場合にはもっと細かい分類をされることになります。

経理の仕事で扱う簿記上では「取引」とは実際にお金が動いた場合であり、
かつ簿記項目として決められている場合のみです。

単に商品を受注したり発注したり、
または銀行から借入の約束をとりつけたというような契約成立の段階のことを
「取引」とはいいません。
私がこれまで働いていた課は営業部に非常に近い位置にいたこともあり、
「取引をする」という言葉を無造作に使ってきたようい感じます。

また、反対に普通の感覚では「取引」とは呼んでいないようなことも
経理上では取引として扱われるようなこともあります。
オフィスや所有物件が損壊してしまった場合や、
会社のお金が盗難などで失われてしまったような場合です。
営業的な感覚ではそれらのことを決して「取引」とは言いませんが、
簿記上では取引としてしっかり記載をしておかなければいけません。

今後経理としてキャリアアップをしていきたいと思うなら、
もう少し自分の専門分野に特化した思考方法で、
業務にあたる必要があるのではないかと思います。

まだまだ必要な知識が完全にそろっているわけではない私なので、
今後は資格取得などきちんとした勉強を積み重ねて、
一人前の経理の仕事ができる人材として
社会的な評価を受けることができるようになりたいと考えています。

印鑑

印鑑の取り扱い

印鑑の使い分け

経理の業務の中には、毎日の計算業務の他にも
総務としての書類管理や物品管理が含まれていることがよくあります。
私の以前の勤務先の企業は規模が大きなところであったこともあり、
経理業務として与えられてきたのはルーチン的な計算業務がほとんどでした。

忙しい時期にヘルプをすることも時々はありましたが、
基本的には自分たちの課にある業務のみを行うように組織が組まれており、
他の課でどのようなことが行われているかについては、
自分から調べに行かない限り、
よくわからないということがほとんであったように思います。

新しい職場は中堅企業であり、
管理業務を行う課は比較的流動的に職務を行うようになっています。
そこで改めて知ることになったのが、会社にかかわる印鑑についての取り扱いです。
印鑑は企業活動において欠かせないものであり、
いくつかの種類を捺印する書類の重要度によって使い分けをしていくことになります。

会社にとって最も重要度の高い印鑑は、
「実印」と呼ばれる登記時に登録しておく印鑑です。
法人として登記する場合には必ず法務局に代表者の印鑑を登録しておき、
公的な申し込みや許可を受けるなど重要な提出書類には
必ずこの登録印を使って書類の正当性を証明します。

企業活動における印鑑は、会社印と代表者印とがあり、
一社につき一人分の代表者の印鑑を登録することになっています。

書類と確認

印鑑制度は日本独特のしくみですが、
歴史が長い分その印鑑が使われる場面は多岐にわたっています。

実印が使われるのは正式な契約書や提出書類など重要な場面のみで、
通常の場面においては違う印鑑が使われることもあります。

重要度の低めの印鑑としては、
認印と呼ばれる登録をしていないけれども日常的に使う印鑑があります。
認印は社内の閲覧書類など、簡単なチェック・確認のときなどに使われます。

経理の仕事をしている時からよく使っていたのが、
訂正印としての小さいサイズの印鑑です。
帳簿作成をするときには、
手書きで計算をしたり書類を作成したりすることもよくあるので、
複数の人で回しながらチェックをするときに、
間違いを見つけたら自分の名前のかかれた印鑑を押すことで訂正をしていきます。

今の職場では、それら重要度がさまざまな印鑑が
同じ課の上司の手元に一気にあつめられています。
印鑑を預かる上司はかなりベテランの信用の厚い社員さんなのですが、
あまりにも一箇所に集めて管理をされすぎているので時々ちょっと心配になります。

暗算力が必要か

必要な能力

経理の仕事では日常的に細かい数字を計算する業務を行わなくてはいけません。

私が昔アルバイトをしたことのある事務所では、
まだ現在のようにパソコンによる経理業務が徹底されていなかったこともあり、
紙に記載された内容について何度も確認の計算を行わなくてはいけませんでした。

今考えればそのためのアルバイトだったのですが、当時学生だった私はそのとき「経理って面倒な仕事なんだな」と強く感じた覚えがあります。

ですが私が大学を出る頃になると、
すでにパソコンをつかった経理業務は小さな事務所でもごく普通のこととなっていたので、
毎日コツコツと電卓を打つという手間はなくなりました。

実際に経理として勤務している人の話を聞いてみると、
意外と珠算や暗算が苦手という人が多いことに気が付きます。

正確に言えば、かつて苦手だったという方が正しいかもしれませんが、
毎日細かい計算に触れていると、自然とできるようになる場合があるということです。

逆に暗算が大得意だからといって経理の業務に適しているかというとそういうわけではなく、
暗算などの計算能力よりも、むしろ簿記や帳簿についての知識や業務に
関心があるかどうかという方が重要なようです。

向上した能力

私が経理の仕事に就いて能力が上がったなと
自分で感じているのが電卓の使い方です。

日常使いしかしていない場合、
電卓を使うときというのはせいぜい家計簿をつけるか、
ちょっとした飲み会の割り勘の場面だけです。

しかし経理の仕事をしているとちょっとしたときに、
早く計算をしないといけない場面も出てくるので、
自然と打ち方が身についてくるわけです。

さらに、日常使いではあまり使わないようなメモリー機能(MRCやM+、M-などのボタン)も
上手に使えるようになります。

恥ずかしながら私は正社員として勤務をするまで、
数字と四算の方法こそはわかっていても、メモリーを上手に使う方法を知りませんでした。
今では仕事を離れてもぱっと使えるようになっています。

あと、あまり知られていませんが電卓にも質の良し悪しがあって、
数百円で買える安価な電卓の場合、
素早く打ち込みをすると数字の表示が間に合わないこともあります。

専門的な経理職にこれから就きたいと思う方は、
できればマイ電卓として千円以上のちょっと豪華な電卓を
購入してみるというのもよいかもしれませんね。

ポケットサイズのものではなく、
卓上の有名メーカーの電卓は本当にびっくりするくらいうち心地がいいですよ。